2013.06.15【本の紹介】犬・猫に効く指圧と漢方薬


 犬・猫に効く指圧と漢方薬
 世界文化社
 著者: Cheryl Schwartz
 監修: 根本幸夫
 翻訳: 山本美那子,園部智子
 (表紙がこれと異なる改訂版?があるようです)







こんにちは、ステラです

犬向けの漢方があると小耳にはさんだので、犬向け漢方の本を図書館で探し
たら、この本を見つけました。
漢方だけでなく、犬と猫のツボも紹介されています。

東洋医学の基本思想、陰陽五行説の説明にはじまり、犬と猫の経絡の図解、
各種症状にあった漢方の紹介とツボの図説、といった感じで構成されていま
す。

西洋医学では、胃が痛かったら、胃だけに着目して治そうとしますが、
東洋医学では、胃に関連する別の臓器とのバランスを考えて治そうとします。

からだはひとつひとつの臓器や組織が独立しているのではなく、互いに連絡
をとりながら生命を維持している、という考え方が基本になっています。
その連絡通路が「経絡」で、具体的にはリンパ線・神経・筋肉などのつなが
りです。これらのつながりが要所要所で集中したターミナル駅みたいな場所
があって、これが「ツボ」です。

犬と猫の経絡やツボの図がたくさん載っているのですが、「こんなに研究さ
れているの?」とちょっと驚きます。

ボクは、膝蓋骨脱臼したので、膝の痛みを和らげるツボを調べてみました。
モデルはハム菜さん。


1:腎兪(じんゆ)
 背骨の両側で第2腰椎と第3腰椎の間。
 骨を強くし、背中下部や膝の痛みを和らげる。体を温め湿気を除くツボ。
 15-30秒間、小さく前後にマッサージする。
2:環跳(かんちょう)
 腰のくぼみの後ろ。まず、横に寝かせて後ろ脚を持って前後に屈伸させて
 腰関節の位置を探すと見つけ易い。
 背中の痛みや後ろ脚の麻痺に効くツボ。
 押さえるか、丸く円を描くようにマッサージする。
3:膝眼(しつがん)
 膝頭の両側にあるえくぼ。
 膝や下肢の痛みに効くツボ。
 やさしくつまむようにマッサージする。
4:陽陵泉(ようりょうせん)
 後ろ脚の外側、膝の下で腓骨頭部にある突起のすぐ下のくぼみの中。
 腱と靭帯を強くする。
 前後に小さくマッサージする。
5:委中(いちゅう)
 後ろ脚の膝の裏、しわの中央。
 背中下部の痛み、腰・膝・くるぶしの痛みに効くツボ。
 前後に小さくマッサージする。 
6:崑崙(こんろん)
 後ろ脚の外側、アキレス腱の下部のくぼみで、腱とくるぶしの骨の真ん中。
 首・肩・背中・前脚・後ろ脚の痛みやこりを治すツボ。
 腱の前部辺りの両側の皮を握り、上下にやさしくマッサージする。


小型犬だとツボが押しにくいかもしれませんね。
そもそも解説読んでも位置がよく分からないツボも多いのですが...

この本、割と良いと思ったのですが、原著(※1)に比べると専門的なページが
省略されていて、深く詳しく学びたい方には評判がよろしくないようです。
具体的には、東洋医学の診断法である脈診や舌診(※2)の解説や、サプリメン
トについての記述が省かれてしまっているそうです。
"薬品については米国と日本で違いがあり(薬事法の違いのこと?)、日本では
入手できないものあるので日本で入手可能なものに差し替えた"という記載は
あるのですが、サプリメントの説明をまるまる省いてしまったのは残念です。

同種の本で「犬と猫のための自然療法」というのがあって(これも訳本)、
評判が良いのですが、残念ながら図書館に置いていませんでした
取り寄せか何かして読んでみたいと思います

【注釈】
※1 Four Paws, Five Directions:
   A Guide to Chinese Medicine for Cats and Dogs
※2 脈診
   脈拍の速さや強さを診ます。人間の手首の脈を診るのと似ていますが、
   手やら足やら、複数のポイントの脈を診る診断です。
   舌診
   舌の色、形など舌の状態から病状を診ます。


前の記事へ  目次  次の記事へ