2015.10.19ノーベル生理学・医学賞の大村教授のおはなしボクとハム菜は、フィラリア予防のために「イベルメック」という薬を定期的に飲んでいます。 このお薬の有効成分の「イベルメクチン」は、犬だけでなく他の動物、さら には人間向けの寄生虫をやっつけるお薬として年間2億人以上に使われる スゴいお薬なのだそうです。 この「イベルメクチン」のもとになる物質を発見したのが、 今回「ノーベル生理学・医学賞」を受賞した北里大学の大村智教授なのです。 ハム菜「わたしたちもお世話になっていたのね」 大村教授は、土の中の微生物からこの物質を発見しました。 同じような例では、コレラの特効薬ペニシリンをアオカビから取り出した イギリスのアレクサンダー・フレミングが1945年に「ノーベル生理学・ 医学賞」を受賞しています。 5年くらい前に放映されたTVドラマ「JIN‐仁‐」は架空のお話ですが、 江戸で大流行したコレラに対抗するため、主人公と医師団がカビを育てて ペニシリンを取り出すシーンがあったことを覚えている方もいらっしゃる のではないでしょうか。 「十八番...!...南方先生、これは!」 「十八番、薬効あり!!」 もっと身近なものだと、ヨーグルトとかヤクルトの乳酸菌も、乳酸を作り 出して人間の腸内の状態を良くする手伝いをしてくれています。 大村教授はTVのインタビューの中で「こういった物質を人工的に作るこ とは不可能ではないが、大変な手間とコストが掛かる(つまり、薬を安く 作ることができなくなってしまう)。微生物に作ってもらう方が良い。」 とおっしゃっていました。 ちなみに、イベルメクチンの分子構造↓ よく分かりませんが、たしかに人工的に作るのは大変そうです... 大村教授はこれまでに微生物から新物質を500も発見して、 そのうち26種が実際に薬になっているそうです。 【参考・引用】 http://www.yomiuri.co.jp/matome/20151005-OYT8T50204.html http://www.yomiuri.co.jp/science/20151005-OYT1T50101.html?from=yartcl_outbrain1 http://www.asahi.com/articles/ASHB62V98HB6ULBJ001.html http://www.jpma.or.jp/junior/kusurilabo/labo/1_history/detectors/index.html http://www.guidechem.com/dictionary/jp/70288-86-7.html 前の記事へ 目次 次の記事へ |